よくある質問(痛みについて)

このページでは、だれもがなんとなく思っている、慢性の運動器の痛み(腰痛・首痛・坐骨神経痛・ひざ痛・股関節痛など)の疑問について、できるだけ分かりやすく(少し裏側まで)ご説明します。

Q、痛みって何ですか?

A、痛みは本当にイヤなものです。しかし当院では痛みは身体の大切な信号だと考えています。身体は痛みによって身体が傷んでいること、患部の負担が限界にきていることをあなたに伝えているのです。

例えば、もし包丁でキャベツを切っている時に指を切っても痛みを感じなければ、指を切り落としてから指を切ったことに気が付くでしょう。また、腰の痛みを感じなければ、腰の骨と軟骨をとことん摩耗して体が動けなくなってから、初めて自分は腰が悪かったんだと気が付くでしょう。(笑)

実際、まれに痛み止めで痛みをごまかし続けて、とことん腰を痛めて歩けなくなってから、病院に運ばれたら腰の手術が必要です。と言われて驚く方もいらっしゃいます。

この様に慢性の痛みは、身体の悪いところをあなたに知らせる大切な信号なのです。(目安として筋肉痛は黄信号で、神経痛は赤信号です。)

Q、痛みの出ている患部の状態はどうなっていますか?

A、痛みのでている患部の周りの筋肉や靭帯が、全体的に血液の滞り(血流障害)を起こして硬くなっています。

これは牛肉に例えるとすじ肉の様なもので、血液の色が薄くて硬くなっています。そして特に痛みの中心には(ほとんどが関節部分になります。)カチカチに硬くなったシコリ(筋硬結)が出来ていて、そのシコリが炎症や疼痛(とうつう)を起こして強い痛みを引き起こしています。

また、このシコリの炎症や疼痛が神経を刺激すると神経痛となります。 (患部が腰や骨盤だと足の坐骨神経痛になり、患部が首や肩だと、腕の神経痛になります。)

Q、痛みはどの部分に出やすいですか?

A,痛みの中心は多くの場合、関節周りの腱や靭帯にシコリ(筋硬結)として存在します。

たとえば太ももなどが痛んでいたとしても、股関節やひざ関節のズレや可動域の減少が太ももの痛みのつながっているケースがほとんどなので、股関節やひざ関節を緩めることで痛みが改善します。そういう意味では、関節部分の改善技術が整体では一番大切になります。

Q、痛みはどうしたら楽になりますか?

A、痛みの直接的な原因は患部の血液の滞りなので、血液が滞って硬くなっている患部に、常に血液が流れる様にすれば痛みは楽になります。

(つまり、硬くなったすじ肉に血液を入れることで、カルビの様に赤くて柔らかくなると、痛みは楽になるのですね。(笑))そのためは、

①骨格の歪みを整えること。➡ 骨格の歪みによって特定の筋肉への血管がつまり患部の血流が低下しますので、骨格の歪みを関節からきちんと整えると患部への血流が回復して痛みが楽になります。

②直接患部に血液を送り患部のシコリ(筋硬結)を緩めて流すこと。 ➡ 当院では血液循環療法という手技で、直接患部の血流を促進して、痛みの直接原因であるシコリを緩めて、炎症や疼痛を抑えます。この血液循環療法は骨格の矯正だけでは改善しない、比較的症状の重い方や関節症や神経痛のある方にはとても有効です。

Q、未病と病気の違いについて教えてください。

A、未病とは、関節の摩耗がなく筋肉痛のみが直接原因の症状です。40代までのほとんどの方が未病の症状になります。きちんとケアをすればほとんどの症状が治癒します。
 
病気とは、関節が損傷・摩耗して、関節痛や神経痛になっている状態です。基本的に一度摩耗した関節は復元しませんが、末期でない限り痛みなどの症状を収めることは十分可能です。初期から前期・中期・末期と損傷の度合いで進行段階があり末期では手術の可能性が高くなります。

例えば、病気である腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症・すべり症などは腰の部分で背骨の椎間板(軟骨)が潰れたり、骨がずれたりして坐骨神経痛(足の痛みやしびれ)になった状態です。これが首の部分で起こると、手のしびれや痛みにつながります。(背骨は首から腰まで25個の動く関節から形成されています。)

さらに股関節やひざ関節の軟骨が摩耗したり、骨が変形すると、変形性股関節症や変形性膝関節症などの病気になります。また五十肩は正式には肩関節周囲炎という病名で、その名のとおり肩関節周りの炎症が直接原因になっています。

Q,なぜ、未病から病気に進行するのですか?

A、歪んだ身体、血流の悪い体質、ハードなお仕事、肥満、筋力不足、遺伝、事故の後遺症など様々な原因がありますが、40代まではほとんど少ない病気になる人が、50歳以上から急激に増え始めるから見ても、一番大きな原因はやはり老化だと思います。

老化によって自然に筋肉や関節が硬く・弱くなることの上に、他の原因が重なることで未病から病気、病気の進行へとつながっているのだと思います。

例えばどんなに身体が歪んで、肥満でハードなお仕事の方でも、筋肉が強く柔軟性がある20代・30代の方は、ケガがない限りめったに病気(関節症・神経痛)にはならないものです。(ただし、腰椎ヘルニアとすべり症・分離症は別で20代・30代でもお仕事やスポーツで無理をすると起こる方がいます。)

でもご高齢の方でも病気にならずに元気に外を歩いている人もいますよね?

そうです。50代で股関節や腰を手術される方がいる一方で、80歳、90歳でも手術もせずに元気に外を歩いている方も現実にいらっしゃいます。この差は以下の様な要因ででてきます。

  • 遺伝的に体力や筋力が強い人、弱い人
  • 遺伝的に骨の歪みなどがある人、ない人(臼蓋形成不全や側弯症など)
  • 成長期に身体をしっかりと鍛えた人、鍛えなかった人
  • 毎日、姿勢の歪みに気を付ける意識のある人、ない人
  • きちんと栄養(ビタミンやミネラル)を考えて食事をしている人、していない人
  • 事故やけが・手術の後遺症がある人、ない人
  • 身体のケアをきちんとしてきた人、してこなかった人
  • 50歳を超えても体力的に無理なお仕事をしている人、していない人
  • メタボになっている人、なっていない人
  • 慢性的に運動不足で筋力が低下している人、いない人。
  • 血流の悪い体質(冷え性)の人、そうでない人。

これまでにいろいろな方々にお話を伺ってきましたが、特に80代、90代で元気な方ほどご自分の健康法をしっかりと持たれていたり、身体のケアには人一倍気を付けていらっしゃる方が多い様です。

逆に、50代、60代で手術まで進行悪化される方は、日常での身体のケアの意識が低く、痛みが出ると薬やシップ・注射などでとことん我慢されて、ハードなお仕事や農作業、スポーツ、家事などを、無理をして続けられている方が多い様です。

最近、ロコモという言葉をよく聞きますが。

ロコモとは、正式には「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)」といい、日本整形外科学会が、今後人類が経験したことのない超高齢化社会を日本が迎えるにあたって、提唱したも概念です。

ロコモとは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。

老化と密接に関係しており、進行すると手術や介護のリスクが高まり、歩行やトイレなどの日常生活にも支障が生じてきます。

 

平均寿命が80歳を超えた今、老化に負けずにいつまでも自分の足で歩き続けていくために、安易に病院に頼らずに運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが必要なのです。

現在、介護にかかっている平均年数は、男性で9年、女性で12年と言われています。もちろんロコモは介護に直接かかわってくる問題で、今後さらに足腰が弱ったり、関節を傷めたりすることで手術や、介護になる方が増え続けることが予想されます。

正直に言うと国としては財源の問題もあり、ご自分の足腰はご自分できちんとケアをして、介護にならないように、手術にならない様に自衛して欲しいのです。

もちろん、手術や介護はご本人はもちろん、ご家族にも大きな負担になります。しかし、できるだけ早いうちに歯磨きと同じで、毎日のケアやメンテナンスの意識をもつことで、ロコモを回避することは十分可能なのです。

歯もやはり毎日のケアの意識が低ければ、60代で総入れ歯もめずらしくありません。逆にきちんとケアをすれば80代でも自分の歯で食事ができます。

身体もこれとまったく同じなのです。きちんとケアの意識をもてば、最後までご自分の足腰で生活できるのです。

その為に、特に今現在痛みのあるかたは、痛みを我慢し続けて関節症や神経痛に進行悪化しないようにきちんとケアをして、これからはご自分のお身体をいつまでも健康に保つ意識を持たれることが大切になると思います。